自己紹介への嫌悪。

「今、何してんの?」

日本に帰国して幾度となく聞かれたこの質問に答えるのが少し嫌だった。
自分がこの歳になってサッカーをしていることを知っている人にはバリスタと答えるし、あまり知らなそうだなという人にはカフェとサッカー選手とコーチをしてますと答えてきた。

バリスタとしてコーヒー作ってると答えた時の、「ああ、飲食店のパートか」みたいな相手の心の声が聞こえてしまうのも嫌だし(実際にはそう言ってないのかもしれないが)、「サッカー選手なの?すごいじゃん」という浅はかなリアクションをとられるのもあまり気分良くない。サッカー選手と絶対に答えないようにしているのは、プロサッカー選手として生きている人たちへの自分なりのリスペクトである。多少お金をもらっているからといって、サッカー選手として人生を賭けている人たちと自分のようなサッカーだけでは生活できず他の仕事で生活を賄っている(保険をかけているとも言える)人との間にはいい気な線を引いておきたいと自分は考えている。

かと言ってだ、そこらへんの草サッカーでサッカーを趣味として嗜んでいる人にはみられたくない。わがままだ。自分のやっていることをすごいというつもりはこれっぽっちもないが、海外でサッカー選手として生きていけているのはそう簡単ではないと自分でも思う。一応、自分なりにパフォーマンスを上げるためにできるだけのことはしているし、時間もかなり使う。週3日のトレーニングと週末の試合、その他にジムに行ったり栄養に気を使ったりと。意外と神経すり減らしながら頑張っているのだ。

そしてもう一つ、サッカーコーチですと答える時の「ああ、サッカーコーチね…(サッカーしかやってこなかったのかな)」みたいな反応もあまり好きじゃない。サッカースクールを経営していますとでも言えば少しは聞こえがいいのかもしれないが、自分の他にスタッフ一人の超小規模サッカースクールじゃそんな見栄を張るわけにもいかない。かといって自分が今サッカースクールを通してやりたいことや取り組んでいることにはかなりの意義や誇りを持っている。それを伝えるには、「仕事何やっているの?」と名刺交換のようなキャッチボールでは時間も距離も足りない。いつかサッカースクールで生活が成り立つようになってきたその時に初めて、サッカースクールの経営をしていますと、そういうことにしておく。

自分は一体どんな自己紹介をできたら満足するのだろうか。今の自分が自己紹介を嫌う理由は、自分が他人に誇れるような仕事をしていないからなのか。はたまた、「〇〇です!」と一言でドヤれるかつシンプルな職業(例えば弁護士とかパイロットとか?)ではないからなのか。わからない。わからないし自分でもめんどくさい性格だなと思う。

けれど一時帰国していろんな友達に会って再確認できたことは、自分だけでなく家族や他人にも誇れる仕事をしていきたいと、そう強く思った。家族や他人だけに誇れても肝心の自分が満足してなかったり、体やメンタルを壊しては元も子もない。一方で自分だけ満足しててもしょうがない。

いま一度時間をしっかりとって、自分がどんなことをしていきたいのかじっくりと考えてみる、そんな時期なのかもしれない。少なくともここ数年は駆け抜けすぎた。一度止まってみようかと、そう思いました。

P.S. 誰にも読まれないことを前提に書いているこのブログで僭越ですが、この度ながらくおつきあいさせてもらっている方と結婚させていただきました。ご報告できていない方も多いですが、この場で失礼します。

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