ドラマ「不適切にもほどがある」で吉田羊さん演じるサカエさんは昭和についてこう述べた。
「昭和はうるさかったな。」
携帯はないし、イヤホンもしていないから、必然的に人の会話も多くなる。きっと昭和の勢いもあり、実際に賑やかだったのだろう。
3週間の日本帰国を終えてシドニー空港なう。めちゃくちゃにうるさい。大音量で動画見るわ、インドっぽい音楽流すわ、でかい声で通話するわ。そして永遠に通話してるけどそんな話すことあるか?
サカエさん、海外の人は令和になっても、スマホを持ってもうるさいですよ。

約3週間の日本帰国が終わろうとしている。
毎回のように同じことを思うし、誰もが同じことを言うのだが、3週間という期間は長いようであっという間だ。航空券を予約するときや、最初の1週間はすごく長く感じる3週間なのだが、2週目を迎えたあたりでいきなり時の流れが早くなるのである。
明日からは仕事が始まり、ニュージーランドでの日常がまた始まる。
忙しくなってこの感情を忘れないためにも、シドニーにて今回の帰国についてサクッと書き記しておきたいと思う。今回は最近ではあまりみなくなったいわゆる旅行日記を純粋に書きたいと思う。
2000年代頃、まだ海外の情報が少なく、いつも頼りにしていたのは海外旅行した人の個人ブログ。
あの頃の自分をワクワクさせてくれた、ピュアな日記をまた。

今回の帰国は満足感が高かった。
前回の年末年始の帰国とは違い、”普通”の日本社会のタイミングで帰国できた。フライト代は去年の半額以下だし、旅行をするときもあまり人が多くないし、お風呂も楽しめた。去年の年末年始は大好きなお風呂でさえもサウナ勢に邪魔されて楽しめなかったことがかなり残念だった。
今年の帰国はなんといっても萩が最高だった。
あまり詳しいことは書かないが長州藩に興味を持っていた僕にとっては、期待以上の町だった。江戸末期を感じられる街並み、観光客の少なさ、歴史を伝えるためにボランティアの方々、みるもの全てがニュージーランドにはない魅力で溢れていた。






とにかく安い日本。
あまり大きな声では言えないのだが、海外で働いている人が日本に帰国すると、控えめにいってフィーバータイムに陥る。(散財して金ない。)それは海外で業さん稼いでいるとかではなくて、海外の当たり前と比較して、何もかもが安いのだ。特に食べ物。それでいてクオリティが凄まじく高い。
海外では2000円を超えてくるラーメンも1000円でとんでもない美味しいものが食べられる。最高だった。

そして本。
いつからか英語の勉強をかねて読んでいた洋書とは別れを告げ、日本の本に全集中しているのだが、ニュージーランドには日本の本はもちろんない。いつもいうけどKindleで読む本と、リアルな”本”で読む本は同じではない。
それと、本屋に立ち寄るあの感覚。Kindleショップをどんなに物色しても、本屋で5分チラ見した方が良い本に出会いやすい。古本ふくめ、今回の帰国ではいい本をたくさん読めたし、良い発見がいくつもあった。

良いところばかりではないことも書いておきたいと思う。
日本に帰ると毎回思うのだが、人が多すぎる。
どうやら僕は人ごみが好きでないみたいだ。関東圏内に住み、東京を中心に活動する自分が悪いのだが、人混みのせいで毎回あまり楽しめない。どうして日本はここまで人口を増やし続けてしまったのだろう。どうして経済国は都市に一極集中していくのだろうか。自分にはあまり理解のできないことが多くある。

日本の道路の狭さは異常だと思う。
車のない時代から道路をバンバン作るほどに発展していた歴史深い国だというのは素晴らしいことだと思う。それでもヨーロッパの街並みと比較しても日本の道路環境はメチャクチャだ。車一台しか通れない道で、ヘルメットもせずに自転車に乗ったじいちゃんばあちゃんが、ふらふら漕いでいる。クソみたいに狭い道路で宅急便や引越しのトラックが止まって通行止めになる。それでいてあまり事故が起きてない日本人の倫理観なんなん。カオスすぎ。

あとは猫アレルギー。実家のネコが二匹に増えたこともあり、帰国のたびにアレルギーと喘息が発作する。たまらん。

最後にトランジットで一日訪れたシドニーも載せておく。
高校2年生の修学旅行で訪れたシドニー。それ以来と考えると少しテンションも上がった。今思えば、あの時が最初の海外だったし、あそこで海外を経験していなければ今こうして海外で生活をしていなかったかもしれない。

初めからやりたいことは一つであった。
ボンダイビーチで本を読む。ボンダイビーチで村上春樹の小説を読む。これだけは絶対であった。日本に帰国して一番最初に読んだ西加奈子の「舞台」。葉太の姿に自分が重なり少し恥ずかしさもあったが、ボンダイビーチで読む小説は一味違った。


最初に訪れたボンダイビーチでテンションはすでに最高潮。あとは降下するだけだった。オペラハウス付近のタウンにも行ったが人が多すぎて萎え。大きく高いビル群に囲まれて萎え。

早めにシドニーを退散して、出発4時間前に空港について今に至る。
総じて、良い帰国だった。
そう締めくくりたいと思う。

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