ものさし

日本に帰国した。夜中の2時におきて約12時間かけて帰ってきて、実家の猫アレルギーに苦しめられている、そんな滑り出しである。

日本に帰ってきて思うことは、いつものことながら、まあ物価が安いことだ。うどんは500円で食べれるし、ラーメンは1000円だし、卵は200−300円で買える。いつもその値段をみながら、NZなら卵は9ドルくらいするし、ラーメンにはいつも20ドル出してるんだぞと、謎に誇らしげな気持ちになる。

物価の他には、羽田空港に着いた途端に、日本の空港は誘導案内員がめちゃくちゃに多いなと思った。そういえばコロナ後に帰国した時も同じ感想を抱いた。他国に比べてロボットや機械導入も進んでいるにも関わらず、そのテクノロジーを案内するための人間が多い。なぜなのだろうか。理由は特にわからない。

あと、今回の帰国で感じていることは信号システムだ。日本は歩行者用の信号が長く点滅するために車が左折する場合、結構待たされる。というか、終わり際に歩行者や自転車が走り込んできて、左折でさえなかなかできないことがあるし、危ない。それを思うと、ニュージーランドの歩行者信号は、始まったと思ったらもう終わりの点滅が始まるくらい、点灯時間が少ない。その分、車が安全に右左折できるようになっている。ニュージーランドに最初行った時は、「歩行者信号の時間短すぎだろ」と思っていたが、今となってはそちらの方が安全で理にかなっているように思う。

何が言いたいかというと、こうした今の自分が思う「安い・高い」、「こうした方がいい」は、自分の中にある日本とニュージーランドによって形成された価値観から生じている。これが意外と大事なんだと思う。

どっちが正しいのかはわからない。けれども、こうした方が良いんじゃないかという自分の意見は、日本だけにいた頃の自分よりもより客観的に、納得のいく答えが出せている自信がある。これが意外と大事なんだと思う。

今思えば、似たような経験がサッカーでも起きた。はじめは、日本のサッカーしか知らなかったが、ニュージーランドでプレーをした瞬間から、違った答えのようなもの(選択肢)が見え始めた。日本とニュージーランドの狭間で、どちらかが正しいとか、どうした方がいいと言っていた自分が、スペインに渡った瞬間に衝撃が走った。全てが覆されたような感覚になった。けれどもそこで、スペインのやり方が全て正しいとも思わなかった。あくまで、それぞれの国の違いを認知して、客観的にこうした方がいいんじゃないかという意見を持つようになったまでだ。これが意外と大事なんだと思った。

今の自分の”ものさし”は、日本・ニュージーランド製だ。いろんな国にも行ってきたが、基本的にはこの2国の価値観で形成されているように思う。しかし、もちろん世界は広く、全く違った価値観で生活している国が数えきれにほどある。できることならば、そうした国の価値観を取り入れた”ものさし”を自分の中に形成できたら、もっと自分の中で客観的で納得のいく答えが出せるようになるんだと思う。これは絶対に大事なことだと思う。

ああ、世界を旅している人が羨ましくなってきた。

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